建設業許可の基礎知識

【工事経歴書】の記載例|自分でやる!建設業許可

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建設業許可で必要とされる工事経歴書とは?

【工事経歴書】は建設業の許可申請を行う日の属する事業年度の前事業年度の1年間に着工した工事を許可を受けている業種ごとに記載した書類です。
記載のポイントとしては次の通りです。

ここがポイント!

  1. 実績がなくても『なし』と記載する
  2. 許可を受けようとする業種ごとに記載する
  3. 業種追加の場合は追加する業種分の工事経歴書のみ作成する
  4. 経営事項審査を受ける場合と受けない場合で作成方法が異なる

特に経営事項審査を受ける場合と受けない場合で作成方法が異なる点は重要ですね。
記載例を見る前にどこが異なるのか簡単に確認しましょう。

経営事項審査を受けない場合

  • 完成工事について、請負代金の大きい順に記載(元請、下請工事関係なく)
  • 主な未成工事について、請負代金の大きい順に記載

※請負代金の額は【税込み】でも【税抜き】でもどちらでも構いません。

経営事項審査を受ける場合

経営事項審査を受ける場合は記載方法が少し複雑になります。
ポイントは次の通りです。

①元請け工事を【元請けのみ完成工事高の合計】の7割を超えるところまで請負代金の大きい順に記載
 ※7割を超えるまでに軽微な工事(500万円以下)が10件に達した場合はそのまま②に進む

②それ以外の元請工事と下請工事を記載し、【完成工事高】の総合計の7割を超えるところまで請負代金の大きい順に記載
 7割を超えるまでに総合計の軽微な工事(500万円以下)が10件に達した場合は③に進む

③未成工事を記入

言葉だけだと何とも分かりにくいですね。
こればかりは実際にやってみないと分からない点があるので次は記載例を見ながら確認しましょう。

 

工事経歴書の記載例|経営事項審査を受けない場合

例えばA建設業者さんの場合です。

施工実績:4件
未成工事:なし
完成工事髙:4500万(7割:3150万)

経営事項審査を受けない場合は元請、下請けは関係ない
為、気にしなくてOK
A工事 1500万
B工事 1200万
C工事 1000万
D工事 800万
工事経歴書 例

基本的な記載事項も確認しながら解説します。

【注文者】
請負契約の相手の、氏名、屋号、法人名等を記載

【元請け下請けの別】
元請け工事から下請け工事か記載

【工事名】
請負った工事名を具体的に記載します。

【現場のある都道府県名及び市区町村名】
工事現場の都道府県名と市区町村名を記載。
例では県名は省略しています。

【氏名】
各現場に配置された主任技術者又は配置技術者の氏名を記載します。

【請負代金の額】
例の場合は完成工事高の合計が4500万なので7割の3150万円に達するまで請負金額の大きい順に記載します。
なのでA~C工事まで記載すればOKです。
未成工事はないので例では記載していません。

経営事項審査を受けない場合は特に頭を悩ませる点はないです。
ポイントとしては先に説明したように以下の通りですね。

  • 完成工事について、請負代金の大きい順に記載(元請、下請工事関係なく)
  • 主な未成工事について、請負代金の大きい順に記載

工事経歴書の記載例|経営事項審査を受ける場合

次は経営事項審査を受ける場合の記載例です。
少々ややこしくなりますが、例を挙げながら見ていきましょう。

○○建設会社の場合
施工件数:9件
元請工事の完成工事高:8800万(7割:7160万)
総完成工事高:1億2700万(7割:8890万円)

元請け、下請けの別 工事名 施工金額
元請工事 A工事 2500万
B工事 2000万
C工事 1800万
D工事 1500万
E工事 1000万
元請け工事の合計金額 8800万
下請工事 F工事 1500万
G工事 1000万
H工事 800万
I工事 600万
完成工事高(元請、下請の合計金額) 1億2700万円

経営事項審査を受ける場合は以下の順で記載をしていきます。

元請け工事を【元請のみ完成工事高の合計】の7割を超えるところまで請負代金の大きい順に記載
上記の例だと7160万が7割なので請負金額の大きい順にA~Dの工事を記載します。

それ以外の元請工事と下請工事(例の場合はA~D以外)を記載し、【完成工事高】の総合計の7割を超えるところまで請負代金の大きい順に記載します
なのでE~Iの工事を請負代金の大きい順に完成工事髙の7割を超えるまで記載します。
従ってF工事の記載をします。

未成工事はないのでこれで工事経歴書の記載は終了です。

分からなければ国土交通省のフローチャートを参考に

国土交通省でも以下のようなフローチャートがありますので是非参考に

 

まとめ|工事経歴書は慣れれば難しくない

最後までご覧頂きありがとうございます。
文字だけで説明するとイメージが沸かないかもしれませんね。

慣れるまでは大変ですが、新規の申請時のみならず業種追加など更新を除く全ての申請区分で工事経歴書は作成する必要があります。
それだけに何度も作成する機会があるので是非ポイントをしっかりと押さえておきましょう。

 

 

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adachi

当事務所は静岡県西部を中心に個人、法人問わずこれから【建設業許可】を取りたいという方に向けて行政書士として申請の代理をしています。最近では建設キャリアアップシステムの登録代行も始めました

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